• 『ゼンレスゾーンゼロ』のプロデューサーである李振宇さんが、新しい戦闘体験を作り出すためにディテールに焦点を当ててアイデアを発掘している。
  • 戦闘システムにおける新要素や独創性について、開発チームの取り組みや考え方が語られている。
  • 開発初期段階では、「回避+バレットタイム」という爽快感を持つ新しいアイデアを取り入れて戦闘体験を工夫していた。
  • 連携スキルを実装した「調律テスト」で、プレイヤーに強烈な手応えを与えるための試みや反省が語られている。

『ゼンレスゾーンゼロ』の「新鮮さ」はどこから?| エリー創作ノート Vol.1

第一回クローズドβテスト開始以来、プロキシの皆様のお声に、開発チーム一同はかねてより注目してまいりました。新エリー都にご興味を持っていただき、誠にありがとうございます。制作過程におけるエピソードを皆様にお届けできる日を、我々も待ち望んでいました。創作ノート第1弾として、今回は『ゼンレスゾーンゼロ』のプロデューサーである李振宇さんに、色々とお話を聞かせてもらいました。「ディテールから突破口を探り、戦闘体験に新しさを加える方法を常に考え続ける」戦闘において皆様に一味違った楽しみを体験していただけるよう、開発チームはこれまで、戦闘のディテールに焦点を当てて新しいアイデアを発掘し続けてきました。今回はキャラ同士の連携、極限支援、そしてキャラ切り替え時の演出の独創性についての裏話をお届けします。Q:戦闘における新要素をどのように考案したのか教えてください。A:アクションというジャンルでは、すでに優れた作品が多く送り出されています。こういった背景のもと、従来と大きく異なる戦闘システムを創り出すことは決して容易ではありません。『ゼンレスゾーンゼロ』はプレイヤーに特別な戦闘体験をもたらすべく、各種ディテールに着目した創作アイデアの発掘を続け、ブレイクスルーを試みてきました。Q:開発初期の段階では、どのような試みを行いましたか?A:過去のアクションタイトルの中で、私にとって非常に印象深かった天才的なアイデアがあります。それが「回避+バレットタイム」です。カメラワークの速度が巧みに設定され、プレイヤーはスローモーションを通して瞬時に視覚的爽快感を得ることができます。我々のキャラ同士の連携仕様も、スローモーションを通して瞬時に爽快感を与えるというコンセプトのもとでデザインしたものです。「回避+バレットタイム」を一種の防御とした場合、我々はそれを『ゼンレスゾーンゼロ』のスピーディーな戦闘に合わせて、一種の攻撃に変えたのです。Q:「調律テスト」で連携スキルを実装した当時の体験について、どのように思いましたか?A:「調律テスト」当時、戦闘でプレイヤーに強烈な手応えを与えるために我々が取り入れたのが、キャラ同士の連携スキルのみでした。しかし自分で遊んでいくうち、攻撃でしか手応えを得られないことに味気なさを覚えました。「ずっと私のターンで、防御が永遠に回ってこない」と。そのため「吸音テスト」と「増幅テスト」では、我々は敵の攻撃頻度と硬直耐性を高めると同時に、操作キャラにパリィ(極限支援)を実装しました。そうすることで、プレイヤーは連携スキル以外に手応えを得る手段ができ、攻撃と防御の両面で瞬間的な爽快感を体験できると考えました。また、『ゼンレスゾーンゼロ』は複数キャラによるチーム戦闘のゲームであることを考慮し、今までと違った演出と体験を求めた結果、チームメンバーに登場してもらうという形でパリィを完成させました。Q:チームでの戦闘について、ほかに新しい試みがあれば教えてください。A:例えばキャラ切り替えをする時、より臨場感のあるものに仕上げるべく、味方が横から登場して戦闘を引き継ぐという形にすれば、一緒に戦っている感覚がより強まるのではないかと考えました。チーム戦闘は我々が非常に大切にしている要素です。さきほど言及したキャラ切り替えのほかに、なぜ連携スキルを後方に控えている味方に発動させるのか?なぜパリィを味方に行わせるのか?そういった演出はすべて複数キャラで戦うという着眼点に由来しており、チームという概念をより前面に押し出すためです。「自分の得意なこと、好きなことを視覚的に表現し、最大限の努力をする」『ゼンレスゾーンゼロ』の目新しさと言えば、豊かな視覚的表現もよく話題として挙げられます。続いてはこちらを中心に、全体的なアートスタイルやグラフィック、UIデザインについて、お話ししていきましょう。Q:現代都市をテーマとして選んだ理由を教えてください。A:パッケージングとグラフィックデザインに長けているという私自身の経歴が理由の一つです。また都市というのも、メンバーが想像力を存分に発揮するのに適したテーマに思えました。みな自分の得意で好きなことに力を注いでいます。だからこそ我々はこうして集まり、『ゼンレスゾーンゼロ』を作り上げたのです。そしてさらに、臨場感と没入感を強めることで、プレイヤーとの距離を縮め、表現したいものを日常生活と結びつけていければと思います。Q:ゲーム内では大量のグラフィックデザインが見られます(六分街の落書きなど)。このような要素を重要視している理由を教えてください。A:都市というテーマをうまく表現するには大量の看板と広告が必要であるという点を鑑み、グラフィックデザインを重要視すべきだと我々は考えました。都市をテーマとしたコンテンツを制作するにあたり、自然の多い景観を使った雰囲気づくりがなかなかできなくなります。そのため我々は没入感向上のため、建物の構造やブランドのデザインを工夫し、日々の生活を感じられるような設計を心がけました。それだけでなく、UIのデザインについても細かく調整していく必要があります。『ゼンレスゾーンゼロ』開発初期の頃、キャラクターをパッと魅せられるようなアイデアについて模索しました。しかし当時のチームは僅か十数人、限られた人手を前に、どこにアニメーションや美術関連のリソースを割くべきか、慎重に決める必要がありました。そこで我々が考えたのが、美麗なグラフィックデザインと少量のモーションを組み合わせた演出でした。比較的使用頻度の多いキャラ育成画面に取り込むことで、キャラの特徴をより大々的に見せられるのではないかと。(開発中の画像につき、実際の仕様と異なる場合がございます)Q:「調律テスト」の時からかなり話題を呼んでいた機能でしたね。デザインするにあたり、とくに気を使った点はありますか?A:当時は細かな部分に対してたくさん議論を交わしました。キャラのモーションを全面的に見せたほうが迫力あるものに仕上げられるのではないかという意見の一方で、カメラアングルと組み合わせることで、よりキャラを引き立てられるのではないかとも検討しました。また、一つの画面を作り上げるには、画面上の要素と構図も考慮しなければなりません。右側はすでに比較的情報量が多いため、左側にあるキャラの構図をなるべくのびのびとしたものにして、全体の視覚的なバランスを取るようにしました。数多くある機能の一つにすぎませんが、それでも皆様に特別な体験をもたらしたいという思いを胸に、これからもチームのアイデアを活かし、ゲームコンテンツをさらに磨きあげていきたい所存です。今回の内容は以上となります。皆様に『ゼンレスゾーンゼロ』の開発における様々な裏話をお届けできるよう、今後も開発チームメンバーのインタビューを予定しております。現在「増幅テスト」が開催中です。テストに関する皆様のご意見とアドバイスをぜひ、たくさんお聞かせください!六分街でくつろぐのもよし、ホロウで冒険するのもよし、新エリー都での生活を目一杯楽しみましょう!皆様が日々、楽しく過ごせますように!

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ソース:https://zenless.hoyoverse.com/ja-jp/news/123577

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One thought on “『ゼンレスゾーンゼロ』開発者インタビュー:新要素「回避+バレットタイム」の裏話を明かす”

  1. プロデューサーが戦闘システムの新要素について語る部分は特に面白かったです。ゲーム制作の裏側に興味がある人にはおすすめの記事だと思います。

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